「リスロマンティック（Lithromantic）」とは何ですか？ 定義は？

他者に対して恋愛的に惹かれないという恋愛的指向である「アロマンティック」。今回はそんなアロマンティックのマイクロラベルの話をするよ。

別に全部を把握する必要はないけど、ラベルはその人のアイデンティティを示すのに大切だったりするからね。自分にピタっと当てはまるものに出会えたら嬉しいよね。

他者に恋愛的に惹かれるアロマンティックのマイクロラベルだよ。

いや、そうなんだけどね。あれはあくまで基本的な定義にすぎなくて、中にはもっといろいろなパターンがあるんだよね。

今回紹介するのは「他者に恋愛的に惹かれるが、その感情を相手から返してほしいとは思わない」という恋愛的指向なんだよ。

だいたいはそんな感じだね。こういう恋愛的指向を「リスロマンティック」と呼ぶよ。英語では「lithromantic」と書く。日本語では「リスロマ」と略されたりするね。

他には「アコイロマンティック（akoiromantic）」という呼び方もあるよ。

確かに表面上は片想いと同じに見えるよね。

一般的に片想いというのは恋愛の途中経過であり、最終的に「両想い」になるのがゴールだと思われがちだよね。お互いの恋愛感情を向けるのが理想的…みたいに。

でもリスロマンティックの存在はその認識の前提を崩すものだよ。別に片想いでもじゅうぶんだと思っている人はいるんだよ。

そうじゃない。リスロマンティックは両想いこそが理想という規範に真っ向から反対している。片想いでも幸せになれる人はいて、それはそれでいいんだよ。

とにかく知ってほしいのは、世の中にはただ他者に恋愛的に惹かれているだけでじゅうぶんだと考えている人もいるってこと。リスロマンティックはそんな人の存在を可視化させる用語だね。

それはリスロマンティックの当事者個人で違うから一概には言えない。どう捉えているかはその人にしかわからないね。

いや、そういうわけじゃない。もちろんリスロマンティックの人の中には誰かと相互関係を持つことを望まない人もいると思う。でも関係を作ったり、望んだりしている人はいるよ。

恋愛以外の付き合い方もあるでしょう？ 例えば、プラトニックな関係性を構築することもできるよね。

リスロマンティックだからといって何でも一方的な立場でいたいわけではないんだよ。関係性をどう作るかはその人それぞれだし、お互いにどこで合意を得るかという問題もあるからね。

リスロマンティックの人の中には、アニメや漫画のキャラクターに恋愛感情を抱いたり、アイドルに好意を向けている人もいる。この場合もその相手から恋愛感情を返してほしいとは思っていない。いわゆる「推し」と呼ばれる感情行動に近いね。

例えば、「私はあのアイドルに恋をしている！」って言ったとして「え～でもそのアイドルと付き合えるわけないでしょ？」と言い返されても「いや、あくまでファンとして一方的に恋しているだけで心地いいんだよ！」と答えるリスロマンティックの人はいるだろうね。

ちなみに「他者に性的に惹かれるが、その感情を相手から返してほしいとは思わない」という性的指向の場合は「リスセクシュアル（リスセクシャル / lithsexual）」と呼ぶよ。

そういうことです。

リスロマンティック、覚えておいてね。