- Qアセクシュアル(アセクシャル)やアロマンティックの人はバレンタインデーが嫌いなのですか?
- A
いいえ。そういうわけではありません。アセクシュアルやアロマンティックだからといってバレンタインデーが必ず嫌いになるとは限りません。好きな人もいれば、嫌いな人も、興味ない人もいます。
バレンタインデーが嫌い?
2月14日は「バレンタインデー」ですね。
そうですね。日本はついこの前まで「節分だ、豆だ、恵方巻だ」と言っていたのに急に今度はチョコレートに様変わりするから忙しいですよね。
バレンタインデーと言えば一般的には何をする?
それは…やっぱり女性が好きな男性にチョコをあげる…ってやつになるのかな…?
うん。バレンタインデーは恋愛に絡んだイベントという認識が社会では定着しているね。
となると恋愛をしないアセクシュアル・アロマンティックの人はバレンタインデーが嫌いなのかな?
う~ん、どうだろうか。まずアセクシュアル・アロマンティックだからといってバレンタインデーが必ず嫌いになるってわけではないと思う。
そういうもの?
もちろんバレンタインデーなんて嫌いだ!何も楽しくない!…と思う人もいるだろうけどね。でもそれはアセクシュアル・アロマンティックなどの性的指向や恋愛的指向に関係なく、アセクシュアル・アロマンティックじゃない人でもバレンタインデーが嫌だという人はいるよね。
まあ、確かにそうですね。バレンタインデーに全然興味ない人は周りにも普通にいるか…。
そもそもバレンタインデーって?
そもそもバレンタインデーって何か知っている?
日本発祥のものではないよね?
本来のバレンタインデーはキリスト教圏の祝いの日であり、宗教色が強いよ。
クリスマスと同じだね。
269年にローマ皇帝の迫害で殉教した「聖ウァレンティヌス」に由来するというのがよく知られた定説で、このウァレンティヌスは婚姻が禁止された兵士のためにこっそり秘密で結婚式をしてあげていたんだ。それで処刑になった。だからカップルの日になったんだね。
チョコは?
チョコは日本独自の要素なんだよね。日本では1970年頃に「女性が男性に対して愛情を込めてチョコレートを贈与する」という「日本型バレンタインデー」の様式が成立したとされているよ。
なんでまたチョコ?
おそらくチョコを売りたい店側の狙いがあったのだろうと言われている。実際にこの時期はとんでもなくチョコが売れるようになったよ。
なんか元も子もない利益ありきの理由だよね。
現実なんてそんなものだよ。とにかく日本では当初は「女性が男性にチョコを贈る」という形式で広まった。そのためしだいに不満も蓄積されていったね。
女性だけが負担になるもんね。
なぜ女性だけがわざわざ男性にチョコを渡さなければならないのか。しかも日本は面倒な序列社会だから義理チョコなんてものまで職場などで暗黙のうちに定着したり…。
日本は面倒くさいな…。
さすがにその不満を業界も理解したのか、恋愛市場の限界が見えたと判断したのか、最近は「女性が男性に」という一方通行を強調しなくなってきたね。友達とか自分用にチョコを買うのも宣伝されるようになったし、普及もしている。
業界はチョコを売りたいだけだもんね。
そういう変化もあってか、最近は日本でもバレンタインデーにおける「女性が男性に」という一方通行に起因する忌避感も減ってきてはいるかもしれないね。
バレンタインデーを楽しむ人もいる
アセクシュアル・アロマンティックの話に戻るけど、アセクシュアル・アロマンティックの人でもバレンタインデーを楽しむことってあるのかな?
あり得ると思うし、それはおかしいことではないよ。
そうなの?
英語圏では「Attraction is not Action」というフレーズがアセクシュアル・アロマンティック界隈ではよく使われる。
どういうこと?
アセクシュアル・アロマンティックは「性的魅力(sexual attraction)や恋愛的魅力(romantic attraction)を他者に抱かない」というだけであって、「行動(action)しない」という意味ではないということだね。
ほうほう。
つまり、性的魅力や恋愛的魅力を感じていなくても、デートをしたり、パートナーを持ったりする人はいる。
まあ、そうだよね。
だからアセクシュアル・アロマンティックの人でもバレンタインデーに合わせて一緒に出かけたり、チョコをプレゼントしたりする人もいると思うよ。
なるほど。
とくに異性にチョコをあげれば恋愛感情だと早合点されるリスクはあるのだけど、そういうふうに考えるのはやめてほしいよね。
チョコと恋愛は別物!
バレンタインデーが近づくとチョコ系のスイーツの新商品がたくさん発売されるから、それを個人的に楽しみにしているスイーツ好きのアセクシュアル・アロマンティックの人もいるだろうし…。
チョコ好きには嬉しいイベントだね。
一方で恋愛伴侶規範が濃い環境に晒されているアセクシュアル・アロマンティックの人はバレンタインデーは圧迫感が増すので嫌だと思うかもしれない。だからバレンタインデーが苦手だと思っても別に変じゃないよ。
その人がどんな環境にいるかでも違うよね。
とりあえずアセクシュアル・アロマンティックであってもバレンタインデーとの向き合い方は三者三様、人それぞれってこと。変な決めつけをせずに、個人の意思を尊重しましょう。
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編集部コメント
アセクシュアルやアロマンティックといったAスペクトラムの人でも、バレンタインデーが嫌いかどうかは個人で違います。バレンタインデーを楽しんでいる人もいます。勝手に決めつけないようにしましょう。
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