アセクシュアル・アロマンティックの人は結婚しますか？ パートナーはいますか？

確かに1970年前後の第二次結婚・ベビーブームからガクッと減って、それ以降も2020年になっても微減状態がずっと続いているのが、厚生労働省の人口動態統計からもわかるね。

どうだろう。経済的事情や同性婚が認められないなどの理由で結婚したくてもできない人もいるだろうし、「結婚しなくてもいい」という価値観の変化もあるかもしれないよね。

う～ん、今の日本の世間一般では結婚は「性的・恋愛的に惹かれ合って結ばれる」という認識が強いよね。昔の日本はお見合い結婚ばかりで、そういう状況ではなかった部分も大きいと思うけど。

でもね、アセクシュアルやアロマンティックだからといって全員が結婚しないというわけではないよ。

まずアセクシュアルの人は性的に惹かれないのであって、恋愛的に惹かれるから、恋愛関係は築ける。逆にアロマンティックの人は恋愛的に惹かれないのであって、性的には惹かれるから、性愛関係は築ける。そこから結婚に繋がるのはじゅうぶんありうる。

恋愛関係も性愛関係も築くことを望んでいないのは大方そのとおりだと思うけど、それでも結婚は絶対にしないとは限らない。アセクシュアル＆アロマンティックの人でも結婚している人もいるよ。

それは人それぞれ違うと思う。相手に惹かれる理由は何も恋愛的魅力や性的魅力だけとは限らない。他にも魅力はいっぱいあるでしょ。趣味が合うとか、悩みを共有できるとか、自分を差別しないとか、仕事を支えてくれるとか、一緒にいるとリラックスできるとか…。

他にももっと現実的に考えて、税金や年金などがお得になるからとか、とりあえず結婚しておくほうが世間体として過ごしやすいとか、その人なりの事情もあったりするだろうね。

うん。別に婚姻届を提出するときに恋愛や性愛をテストされるわけじゃないからね。互いが納得すればそれでいいんだよ。アセクシュアルやアロマンティックでもそこは変わらない。

最近はあえて書類上の公的な結婚をせず、互いの意思だけで「パートナー」として関係を築く人も増えてきた。それに結婚やパートナーシップを持つからといって一緒に常に同じ屋根の下で暮らす必要はないとか、一生を添い遂げる必要はないと考える人もいる。多様な価値観によって結婚やパートナーという概念も見直されてきているね。

そう。アセクシュアルやアロマンティックの人がどれくらい存在しようとも、結婚をする人の数が減るとか、そういうことはないだろう。アセクシュアルやアロマンティックは「独身主義」だと勘違いされることもあるけど、そうではない。結婚を望むかどうかは個人の意思だね。

アセクシュアルやアロマンティックの人向けのマッチングのサービスとかもあるしね。

もちろんアセクシュアルやアロマンティックの人の中には「独身でいたい」と強く思っている人もいる。でもそれはアセクシュアルやアロマンティックではない人の中にもいるよね。

そうだね。そこは誤解してはいけないところだね。当事者の中にはそれらを一緒くたにして語る人もいるから、当事者ではない人からしてみれば混乱すると思うけど。

うん。同性愛の人だって結婚を望む人もいれば、結婚までは望んでいない人もいる。異性愛も同じ。無性愛も同じだ。

アセクシュアルやアロマンティックでも、何度も結婚・離婚を繰り返す人もいるし、ずっと誰かと添い遂げる人もいるし、浮気する人もいるし、異性や同性とパートナー関係を持つ人もいるし、全然結婚やパートナーに興味なくて独りで生きたいと思う人もいる。それぞれの生き方で相手を知ってあげてね。

うん。同じとは限らない。

必ずそうだとは言いきれない。

もちろん話が合いやすいというのはあると思う。でも話が合うからといって、すぐに結婚やパートナーに直結はしないよね。人それぞれだけど、他にもいろいろ気にする部分はあるだろうし…。逆に相手が同じアセクシュアルやアロマンティックでなくても、他の側面でマッチするものがあるなら、それで良好な関係が築けることもあるだろうね。

あと、結婚してから自分や相手がアセクシュアルやアロマンティックだと気づくこともあるよね。

いつ自覚するかはわからないからね。でも慌てないで。それでこれまでの関係性が崩壊すると早合点しないように。お互いにじっくり相手を理解し合おうね。

いろいろ説明したけど、とりあえず、日本の婚姻率が下がってきたのをアセクシュアルやアロマンティックのせいにするのはやめてねっていう話だよ。