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それは差別です。東京大学が「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」を発表。その内容は?

東京大学が「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」を発表

セクシュアル・マイノリティの学生が大学に入るときに最も気になることのひとつが大学で差別を受けたらどうしよう?」「大学や先生はちゃんと平等に扱ってくれるだろうか?という不安だと思います。アセクシュアル(アセクシャル)やアロマンティックの学生も心配な気持ちを抱えてキャンパス・ライフを迎えるかもしれませんし、もう迎えている真っ最中かもしれません。

大学でもセクシュアル・マイノリティへの取り組みは欠かせないものになっており、差別を防止し、平等な教育を提供することはグローバルな教育の世界では常識です。

東京大学の取り組み

日本のトップクラスの大学として知られる「東京大学」も大きな一歩を踏み出し、多くの人々から好意的に受け止められています。

その取り組みとは東京大学が2024年2月に発表した性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドラインです。

東京大学は、以前から「東京大学憲章」及び「東京大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を制定し、すべての構成員が差別されることがないよう保障することを掲げていました。

今回の2024年2月8日に発表した「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」は、こうした理念の実現に向けた取り組みの一環として、学内意見公募を経て策定したものであると東京大学は説明しています。

どんな内容?

今回の東京大学の「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」はどのような内容なのでしょうか。

セクシュアル・マイノリティに関する基本用語を簡単に説明しながら、キャンパスで起きうる差別を紹介し、それを避けるための情報の指針を提供しています。あくまでガイドラインですが、その内容はかなり具体的です。

「大学生活上で直面する典型的な障害の例」として以下のような具体例が提示されています(一部を抜粋)。

大学生活上で直面する典型的な障害の例

  • 名簿掲載名から性別を推測したグループ分けをしたり、「男子」「女子」としての発言や行動を期待したり、あるいは要求したりする。
  • 名簿あるいは外見から推測される性別に従って呼称の使い分けをする(「〜さん」「〜くん」の使い分け)。
  • 「今どきは『世の中には男と女しかいない』と言ってはいけないんでしたね」と、あたかも発言に気をつけているかのように装い、その実は性の多様性について暗に揶揄する。
  • 「私もよくわからないのですが、最近はLGBTQとかいう人たちもいるんですよね」と、自分は無関係である風を呈示して、あたかもLGBTQ当事者が自分たちとは異質な「他者」であるようにふるまう。
  • 「人間には体の性と心の性があって」「日本は伝統的に同性愛に寛容で」など、通説のように受けとめられていながらも、現時点では学術的に不正確とされている内容を授業で発言する。
  • 学生の安全を守るための情報共有やファシリテートが不十分なまま、差別発言が出ることが容易に予想されるトピックで、学生同士に授業やゼミなどでの議論や討論をさせる。
  • 「心が女なら自分も女子トイレに入れるよね」というなど冗談を装い、間違った情報とともに差別する。
  • 「LGBTQは生理的に受け付けない」「女性のように振る舞う男性は気持ち悪い」「お前がホモだったら友達やめる」等、LGBTQを嫌悪・侮蔑・嘲笑の対象として取り上げる。
  • カミングアウトした際の、「一時の気の迷いだ」といった非受容や拒否の態度。また、「いつか治ると思っている」といったことばのように、仮にそれが善意からのものであったとしても、当事者の状況が「治し」(「治療」)の対象であるかのように捉えることで、結果的に当事者に対して非受容や拒否を突きつけてしまう態度。
東京大学における性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン

以下の事例のように、アセクシュアルやアロマンティックの当事者にも関係のある差別も取り上げられています。

  • 「男子はみんな彼女が欲しいだろうけれど」などのバイナリーかつ異性愛を前提とした発言をする。
  • 「彼氏/彼女いないの?」「好きな男性/女性のタイプは?」「合コン行こうよ/行かないの?」「イケメンなのになんで彼女ができないの?」等、バイナリーかつ異性愛を前提とした発言を行う。

このガイドラインは随時の見直しをするとのことです。

日本全国の教育の場に広がるか

東京大学の「性的指向と性自認の多様性に関する学生のための行動ガイドライン」は、当然ですが東京大学内を対象とするものです。

しかし、こうした取り組みは日本の他の大学にも刺激を与えるでしょう。大学のみならず、高校・中学・小学校などでも応用できるガイドラインです。教育関係者は一読する価値があるでしょう。

セクシュアル・マイノリティの当事者を差別から守り、平等で安心できる教育の場を作る取り組みは日本全国に広がるか…。今後も注目は続きます。