LGBTQ(その権利運動)に反対する勢力、またはLGBTQ当事者が受ける差別に無頓着な人たちがよく使う差別用語・言い回し、もしくはインターネット・スラングの一覧です(もともと差別用語ではない言葉もありますが、反LGBTQ的な蔑視の意味を中心に掲載しています)。随時追加しています。
用語集の説明において以下に記載する言葉を用いていますので、簡単な意味をまず載せておきます。
- 反LGBTQ…LGBTQの権利に反対する人もしくは団体のこと。
- 反トランス…トランスジェンダーの権利に反対する人もしくは団体のこと。
通常のLGBTQに関する用語集は以下のページにまとまっています。

用語一覧
●オートガイネフィリア autogynephilia
性科学者のレイ・ブランチャードが提唱した理論。科学的に広く支持はされていない。「トランスジェンダー女性は女性になることに性的興奮しているだけである」という論調でトランスジェンダー女性の否定に使われやすい。現在はレイ・ブランチャードは反LGBTQと関わりが強い。
●オカマ
同性愛者の男性(ゲイ)、トランスジェンダー、女性っぽい男性の人に対する軽蔑的な言葉。当事者が意図的に自分に使うこともある。
●グルーミング grooming
「LGBTQの当事者やその権利を支持する人たちは、児童グルーミングに関与し、児童性的虐待を助長している」と主張する陰謀論がある。グルーミングとは、性的虐待を目的として子どもに接近して感情的に繋がる行為を指す。
●心の性(心の性別)
日本語圏で性同一性(ジェンダー・アイデンティティ)を説明する際に使われてきた言い回し。この表現を好む当事者もいるが、一方で「性同一性は心の病気/障害である」という誤解も招きやすいので注意。
●ジェンダー・イデオロギー gender ideology
トランスジェンダーの平等な権利やジェンダー平等に関する取り組みやその活動をしている人を、特定のイデオロギー(思想)にすぎないとして、他者化するレトリックの言葉。「ジェンダリズム」と呼ばれることもある。
●ジェンダー・エクスプロラトリー・セラピー gender exploratory therapy(GET)
反トランス側が推し進める、トランスジェンダーだと感じている人への医療ケアと称する行為。「ジェンダー探索療法」ともいう。転向療法と同質であるとして専門家からは批判されている。
●自認
日本語圏で性的マイノリティであるとの自己認識に至ったことを示す際に使われやすいが、一方で「自称(思い込み)」というニュアンスも与えやすい。より適切な表現を検討するほうがよいかもしれない。「女性自認の男性」といった言い回しでトランスジェンダー女性をミスジェンダリングして誹謗中傷する際にも使われる。
●身体女性
トランスジェンダー男性やノンバイナリーの人を揶揄する言葉。実際に当事者がどんな性的特徴を有するかは人によって異なるものである。
●身体男性
トランスジェンダー女性やノンバイナリーの人を揶揄する言葉。実際に当事者がどんな性的特徴を有するかは人によって異なるものである。
●性自認至上主義(性自認主義)
「トランスジェンダリズム」や「トランスイデオロギー」と同じような用法で日本語圏の反トランス側で使われている。
●性転換 sex change
本来はトランスジェンダーの人に対して適切な言葉ではない(例えば「性転換手術」ではなく「性別適合手術」と表現するほうが望ましい)。反トランス側はあえてこの言葉を濫用することがある。
●生物学的性別(生物学的女性 / 生物学的男性)biological sex
性的特徴に基づく性別を指して使われやすい表現だが、インターセックスやノンバイナリーを排除し、男女二元論を正当化するために、反トランス側で濫用されやすい。
●セルフID
人権侵害となる条件無しで法廷な性別を変更できることを指すが、反トランス側では「あまりに気軽に性別を変えられる危険な制度」といったレッテルを貼るために使用される。
●トラニー tranny
トランスジェンダーの人に対する軽蔑的な言葉。
●トランスイデオロギー trans ideology
トランスジェンダーはイデオロギー(思想)にすぎないと主張する際に用いられる。「トランスジェンダーは流行的なものである」といった陰謀論をともなうことも多い。※「ジェンダー・イデオロギー」の解説も参照
●トランスエイジ transage
実年齢とは異なる特定の年齢を名乗る人を指すインターネット・スラング。もともとトランスジェンダーのアイデンティティを揶揄する意図で広まり、反トランス側で積極的に用いられた経緯がある。この言葉以外にも「トランス○○」という言葉を量産し、トランスジェンダーのアイデンティティを揶揄することもある。
●トランスカルト
トランスジェンダーの当事者やその平等な権利のために活動している人を危険な「カルト」として悪魔化するレトリックの言葉。日本語圏の反トランス側では「トラカル」と呼ばれることもある。関連して「児童切断カルト」などの誹謗中傷表現も確認されている。
●トランスジェンダースペクトラム障害
トランスジェンダーを病理化するために反トランス側が用いる言葉。このような診断名は存在しない。「自閉スペクトラム障害」を想起させる表現になっている。
●トランスジェンダリズム transgenderism
トランスジェンダーを指すが、反トランス側では「トランスイデオロギー」と同等の意味で用いられる。日本語圏の反トランス側では「Tジェンダリズム」と呼ばれることもある。
●トランスセクシュアル(トランスセクシャル)transsexual
以前は「性別適合手術を受けた人」の意味合いで使われていたこともある。反トランス側では、「性別適合手術を受けた人だけが真のトランスジェンダーである」といったレトリックの言葉として悪用される。
●トランストレンダー transtrender
トランスジェンダーの人に対する軽蔑的な言葉。
●ペドフォビア pedophobia
「LGBTにペドフィリアは含まれない」と説明した際などに、それへの反論者がペドフィリア差別の意味で用いやすい言葉。ただし、本来、ペドフォビアは「子どもに対する恐怖」を意味する言葉である。
●ホモ
同性愛者、とくに同性愛者の男性(ゲイ)の人に対する軽蔑的な言葉。当事者が意図的に自分に使うこともある。
●レズ
同性愛者の女性(レズビアン)の人に対する軽蔑的な言葉。当事者が意図的に自分に使うこともある。
●LGBTP
「LGBT」には「ペドフィリア(P)」も含まれると誤解させるために反LGBTQ側で用いられる。この他にも、性的マイノリティ権利運動にあたかもペドフィリアも包括されているかのように誤解させる手口がいくつも確認されている。
●ROGD(rapid-onset gender dysphoria controversy)
「急速発症性性別違和」とも呼ばれる。科学的に広く支持はされていない。「トランスジェンダーは流行的なものである」といった陰謀論をともなうことも多い。
●TRA
トランスジェンダー権利活動家(Trans Rights Activist)のことだが、反トランス側間でトランスジェンダーの人権を守るために活動している人を揶揄するために使用される言葉ともなっている。関連して「活動家」という単語が蔑視的に使われる。
