アセクシュアル（アセクシャル）のフラッグ（旗）は何ですか？ 何を意味しているのですか？

レインボー・フラッグかな？

あれは総称して「プライド・フラッグ」とも呼ばれるよ。セクシュアル・マイノリティの人たちが自分を示す「証」として用いる、いわばトレードマークの旗みたいなものだね。

レインボー・フラッグは性的少数者の人たちみんなを指している。だから一番よく見るよね。

1970年代にギルバート・ベイカーという人がデザインしたもので当時は8色だったのだけど、翌年に6色になって今でも親しまれるおなじみの旗になったよ。最近はもっと色が増えて複雑な柄になったフラッグも登場していて、こちらもよく使われるようになってきているね。

いろいろな性的少数者の人を包括するために新しいデザインが提案されたんだ。どっちを使うかはあなたしだいなので自由にしていいよ。

他にも個別のセクシュアル・マイノリティごとにフラッグがあるよ。ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、パンセクシュアル、トランスジェンダー、ノンバイナリー…まだまだあるね。

性的少数者の人たちが世界共通で使える目印があるというのは便利だよね。言葉に頼らなくていいから。

これらのプライド・フラッグには基本的に著作権はないので、誰でも自由に使える。印刷して自作の旗を作ってもいいし、商品のデザインに利用してもいいよ。

でも気を付けてほしいのは、これはただの綺麗な旗ではないということ。性的少数者の当事者たちが「差別と闘って社会を変えていくぞ！」とコミュニティの連帯を示す意義があるものだ。それを忘れないでね。

もちろんだよ。アセクシュアルのフラッグは、上から、黒、灰色、白色、紫色の4本の横縞が並ぶデザインだね。

「黒」はアセクシュアルの性的指向を、「灰色」はアセクシュアルとそうではない性的指向の中間を、「白」は性的指向、「紫」はコミュニティを意味しているということになっている。

2010年頃に「AVEN」という英語圏のアセクシュアルのオンライン・コミュニティが議論して、みんなで話し合って決めたんだ。

もともとこの「AVEN」では、黒、灰色、白色、紫色を用いたトライアングルをコミュニティのシンボルにしていたのだけど、それを応用したデザインだね。

この「AVEN」のウェブサイトが紫色をデザインカラーにしていたからみたいだね。今では紫色がアセクシュアルのメインカラーみたいになっているね。

このアセクシュアルのフラッグは、アセクシュアルのコミュニティを「Ace（エース）」とも言うので「エース・フラッグ」と呼ばれたりするよ。

アセクシュアルのフラッグはこのデザインがメインだけど、他にもあるよ。

アセクシュアルには、グレーセクシュアル、デミセクシュアルなどのさらに細かいラベルがあるという話を別でしたと思うのだけど、そのマイクロラベルごとにもフラッグは用意されているんだ。

それに他者に性的に惹かれない「アセクシュアル」とは別の、他者に恋愛的に惹かれない「アロマンティック」にも個別のプライド・フラッグがあるしね。

どれをどんなふうに使うのかはその人の自由でいいんだ。大切なのはそのフラッグが当事者に「プライド」を与えてくれるということ。人によってそれは、誇りであり、自信であり、居場所であり、肯定感であり、仲間を表す。

いや、使ってもいいよ。フラッグを提示することで「あなたの味方です」と示すこともできる。もちろん実際に味方になるような具体的な行動や対応をしないといけないけどね。