アセクシュアル・アロマンティックから別のものに変わったりしますか？

あれ、最近、髪形を変えた？

それもいいんじゃないかな。

そういうことはあり得るよ。

アセクシュアルやアロマンティックに限らず、性的指向や恋愛的指向というのは人によっては人生の中で変わるということはある。

うん、そうだね。その逆もある。他者に性的に惹かれると思っていたけど、やっぱり他者に性的に惹かれないのかもしれないと思うようになるとか。

そういうことになるね。もちろんずっとアセクシュアルやアロマンティックのままという人もいるよ。

まずそもそも性的指向や恋愛的指向というものは判断が難しい。

そう、だから自分の性的指向や恋愛的指向が何なのか、人によっては悩むことになる。「これかな？」と思っても確証がなかったり。曖昧なままなんとなく認識する人もいる。

なので「私の性的指向はこれだ！」と思っても、「やっぱりこっちかな？」と後で違う感覚にいたることもよくある。そういうものなんだよね。

その言葉の方が適切かもしれないね。結果的に「変化した」ように思えるかもね。

性的指向や恋愛的指向の中には複数の指向を行ったり来たりしたり、複数の指向を同時に実感する人もいるので、そういうパターンもあることも知っておくといいよ。

確かにそれはあるだろうね。アセクシュアルやアロマンティックはただでさえ明確に判断するものがないので迷いがちだから。

うん、そういう人はいるよね。

そんな人も当然いる。逆に「私は今までずっとパートナーと性的関係を持ってきたけど、あらためて考えるとアセクシュアルだと思うようになりました。本当は自分の意思としては性的関係を持ちたいとは思っておらず、流れに乗っているだけでした」という人だっているだろうし…。

ともかく迷っていいし、「わからない」という状態になることは別に変じゃないので、自分のペースでゆっくり考えるといいと思うよ。

うん。そういうわけなので、ある人がアセクシュアルやアロマンティックだったとしても、もしその人がアセクシュアルやアロマンティックではない別の性的指向や恋愛的指向を自認するようになってもとやかく言わずに見守ってくださいね。

ただし、注意がある。

性的指向や恋愛的指向が変化することもあるからといって、変化するべきだと押し付けることはできない。

なぜならこれは自由自在に本人の意思で変化したりできることではないからね。

当然、変化できることを理由に掲げて特定の性的指向や恋愛的指向を「治す」ということもできないし、するべきではない。こういう行為は紛れもなく差別的であり、相手を傷つけるよ。

あらためて整理すると、アセクシュアルやアロマンティックを含めた性的指向や恋愛的指向は変化することもある。でも他人が介入することはできない。本人の内面的な模索しだいで決まる、とてもプライベートなことだから。これは忘れないでね。